左官一服噺  道具○面引き鏝1( men-hiki trowel. 1)71

元首面引き鏝 写真左より、丸面引き鏝、角面引き鏝、定木面引き鏝

元首面引き鏝 写真左より、丸面引き鏝、角面引き鏝、定木面引き鏝

面引き鏝は左官作業の中で出隅部分を仕上げに使用され、その形状、寸法の種類は多岐にわたっています。細工仕上げの中心的な存在で、左官作業では、最も必要なものの一つであります。

規格は直径の単位で表し、規定のRをもって表示されます。例えば面引き鏝内丸で長さ120㎜、R15㎜と示したときは、鏝の長さが120㎜で、鏝の中心部についてある面内が15㎜となります。

羽根の部分は、直角でありますが、面引き鏝の内丸部分では、尖端部分がわずかに外側に反っています。切付け鏝の外丸部分では、その反対に羽根の尖端部分が内側に反っています。これは塗りつけた壁からの鏝離れが容易にするためであり、鏝製作の妙技がここも見いだすことができます。

面引き鏝の種類として元首面引き鏝・中首面引き鏝・片羽根甲羅付き、面引き鏝・小羽根面引き鏝道路丸面引き鏝中首丸窓面引き鏝・元首几帳面引き鏝・つまみ丸窓面引き鏝・つまみ面引き鏝(直線用)・中首丸窓面引き鏝・元首鈍角面引き鏝・元首平角面引き鏝があります。 

代表的な中首面引き鏝は、面引き鏝として最も一般的に使用されています。柱、窓の角面仕上げに使用され、羽根部分が長いため、長い距離を引くのに便利です。首がわずかに手元の方についているのが特徴であります。中首面引き鏝は、焼き入れが本焼き、ステンレス製で、長さが120㎜~180㎜で、形状が丸面引き、角面引き、R面寸法が、3、6、9、12、15、18、24、30㎜丸があります。 

元首面引き鏝は、柱の出隅・壁の角面の仕上げに使用されます。元首であるため羽根を大きくすると、安定性に欠けるため小さくなっています。そのため細部の出隅部分には、有効な鏝であります。「引定木面引き」と呼ばれる羽根幅の狭いものもあります。

元首面引き鏝は、焼き入れが本焼き、ステンレス製で、長さが30㎜~75㎜で、形状が丸面引き、角面引きで、R面寸法が、1、1.5、3、4、5、6、7、9、12、15㎜丸があります。

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