通気構法は通気を確保するために、設計・施工上で難しい部分があります。通気構法の二層下地は、構造用合板に透湿防水シートを張り、通気層に縦胴縁の15mmを取り付け、ラス下地板を施工する工法であります。

木工事・左官工事ともに、従来通りの施工であるため、施工者が手慣れている工法の応用であり、長年の実績で現場でも信頼性があります。

 

窓回りは75 mmのブチル系の防水テープを張ります。

窓回りの防水テープは下部から縦枠回り、上枠回りの順で張り付けます。縦枠側の防水テープは接する防水テープから突き抜けないように配慮します。

庇の上にある水切り部分にも 75 mmのブチル系の防水 テープを張ります。

これによって、防水の補強をいたします。

防水紙張りはアスファルトフェ ルト20 kg/巻の430(グラム/m²)を横張りします。横張りは雨水が侵入しても、縦張りより外に排出しやすくします。

防水紙を下から順次張り付けます。留めつけは、握力式ガンタッカーを使用します。理由はハンマータッカーを使用しまと、フェルトを破くことがあるためです。

アスファルトフェルトの重ね代は、横の重ね代が90 mm以上で、縦の重ね代が200mm以上とします。

防水紙の継目は、縦、横とも90mm. 以上重ね合わせます。フェルトの継ぎ目部分は、約300mm.間隔に、その他の箇所は要所に行い、たるみ、しわのないように張ります。たるみ、しわは雨水の不規則な流れを生じ、下地材への浸入の原因となります。さらに、モルタルの塗り付けが均一にならなくなり、ひび割れ等の原因にもなります。

大工さん施工した、窓下の先張りシートを、アスファルトフェ ルトの上にして、窓から雨水を排出します。

窓台に先張り防水シートを使用した場合には、同シート部分に防水テープを張りません。理由は、防水テープを張ると侵入した雨水がかえって滞留しやすくなります。開口部下部に関しては、外壁の防水シートを先張り防水シートに差込むように張り、雨水侵入を防ぎます。

ラスは波型でモルタルがラスの 裏側に回る様に工夫されています。留め付け針のステープルは 足の長さが19 ㎜で、地震があってもの抜けません。

ラスの張り付けは千鳥に配置し、継目を縦、横とも50mm.以上で重ね継ぎます。ひび割れの発生しやすい、開口部は継目を設けないように配慮しています。ラスの仮留めは、10mm.間隔で手打ちのガンタッカーを使用します。本締めは19mm.ステープルで、100mm 以内に、ラスの浮き上り、たるみのないようにエアータッカーで下地材に千鳥に打ち留めます。

ラスの重ね代は50mm以上とします。
窓等の開口部周りは、平ラスで補強します。横引き配管からの 雨水侵入が多いので、防水テープで処理します。

横引き配管回りは片面の防水テープを使用することもあります。

ラス下地用セメントモルタル下塗り・上塗りをします。塗り厚さは16mm.で防火基準となります。

ラス下地用既調合セメントモルタルは、各社メーカーで多くの商品が出ています。現場では既調合モルタルを「ラスモル」と呼んでいることが多く、弊社では、まさに商品名が呼び名となっている富士川建材工業㈱の「ラスモル」を使用しています。「ラスモル」は商品としてパイオニア的存在で、信頼性の高いものがあります。

下塗りは鏝圧を充分にかけ8~10mm.厚に塗り付けます。

下塗りは、よくすり込んでラス裏に回します。鉄筋コンクリートと同様に。ラスはモルタルの中間になるようにします。鏝圧をかけて施工することによってモルタルは緻密になり、拘束を促すラス裏まで十分に入りこませ、収縮は低減できます。

ひび割れを防ぐために、ジルコニア耐アルカリ性処理したガラス繊維ネット張り付けます。

ガラスメッシュはモルタル仕上げ表層に張り込みます。これによって、モルタルはラス側でしっかりと接着して、表層でもメッシュに接着して、ひび割れに強いモルタル仕上げになります。

既調合モルタルで上塗りをして、表面を平滑にし、吹き付け・鏝の仕上げ等の次の工程に移ります。
外壁の左官塗り仕上げの材料の比較
材質 仕上げ・材料の特徴 *価格1㎡に付
モルタル仕上げ 一般にはセメントモルタルをいい、ポルトランドセメントに砂を混ぜたものです。コンクリートやラス下地等にセメントモルタル層を施して、単独で仕上になることより、吹き付け、塗装、仕上げ塗材が施されることが多いです。 4,000~
掻き落とし仕上げ 色モルタルや骨材に大理石の細砕石を使用したモルタルを塗り、表面が未硬化のうちにワイヤーブラシなどで、かき落とし粗面仕上げしたものです。上品な仕上げとなります。 モルタル下地+

4,000~

漆喰仕上げ、ライムウオール 表面を撫で平滑したり、様々なテクスチャーを表すことができる、我が国の誉れ高い万能な材料ともいえます。着色も自由に色彩も多くできます。 モルタル下地+

3,500~

アクリル樹脂 合成樹脂の代名詞的存在。建築・住宅資材、特に柔軟性があり、鏝、刷毛、ローラー塗りが可能です。乾燥が早く、作業性に優れています。有名なジョリパットがこれになります。 モルタル下地+2,500~
遮熱材料

 

赤外線を反射し、建物の温度上昇を抑える効果があるため、冷房費の削減となります。塗料の色調は、濃い色より淡い色の方が、反射率として高くなります。 モルタル下地+3,200~
断熱材料

 

塗料して有名なガイナです。断熱のメカニズムはバルーン状の中空ビーズで、断熱性能を高めたものです。詳しくはガイナのホームページをご覧ください。 モルタル下地+4,200~
*価格・工程によって異なりますのでお問い合わせください。