kentのこだわり「外壁タイルの一部が剥落しそうであり、危険であるため、タイルの部分を吹付け仕上げにしてほしい」とのオーナー様からの緊急極まる要望です。早速に調査をすると、外壁の一部がせり出しています。取り急ぎその部分を撤去して、道路外壁面の打診診断を行いました。タイルでの剥離は、コンクリートとタイル下地となるモルタル層の界面での浮が多数あることが判明しました。調査の結果、改修工法として、タイル面の洗浄はタイルの剥落の危険性があるため高圧洗浄としない。→エポキシとピンの併用で躯体とモルタル層の接合。→ポリマーセメントモルタルでネットをタイルの表面に伏せ込みピンと接合させる。→仕上げは吹付けで、防水型の吹付けタイルとしました。撤去から仕上げまでの一貫作業が耐久性のある施工が可能となります。

目視と打診による検査の結果で、 大きく面外にせり出した外壁であることが判明しました。このまま剥落すると大きな事故になりかねません。早速に改修工法を提案をいたしました。

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取り急ぎ剥離部分を撤去して、さらにコンクリートのピンを埋め込み次に塗るモルタルとの接合を計ります。

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次に塗るモルタルとコンクリート面での接合を良くするためのピンの注入箇所は、25㎝間隔として、1㎡で16本としました。ピンは浮き部分を躯体と接合し一体とするもので、ステンレスの全ねじを使用します。

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コンクリート面への下塗りモルタルです。今回は弊社のアツモツの軽量モルタルを使用しました。

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タイル面の浮部分を打診で再度確認して、エポキシ樹脂注入箇所を確認します。エポキシ樹脂は昭和13年(1938年)にスイスで開発されました。接着剤の代名詞に使われているぐらい、性能に優れたものであります。昭和42年、原爆ドームの保存工事に、約15トンのエポキシ樹脂が使用され高い評価を得ています。IMGP2436

下地層に浮があるため、慎重に少しづつ注入しています。

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弊社のSBR系のアルモルで、タイル面に摺りこむようにして塗り付けます。SBRとは、スチレン・ブタジエンゴムのことで、広範囲に使用されている合成ゴムことです。接着性能が高く、モルタルに弾性力を附加させます。

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中塗りは、ガラスメッシュを伏せ込み、さらにピンとメッシュを接合させます。メッシュによって、タイル面が外側にせり出すことを押さえます。割れた茶碗をゴムで縛り付けて接着させることによく似ています。