弊社オリジナル漆喰珪藻土のライムウオール
弊社の珪藻土建材ライムウオールは、消石灰と麻苆(すさ)、紙苆、海藻粉糊で作った漆喰に、秋田産の珪藻土を使用しています。吸放湿に優れ、塗り厚も一般的なものより厚く、耐久性があります。日本建築仕上学会にも、研究論文として、発表したラ イムウオールです。
ライムウオールの珪藻土:左の写真は、珪藻土殻です。ケイソウとは海や湖に浮遊する藻の一種で、その種類は1万5千種といわれています。写真から細孔がたくさんあるのがお分かりと思います。この小さな孔によって吸放湿性能が高まります。
珪藻土は珪藻プランクトンの殻が長年に亘って堆積しできたものです。0.1~0.2ミクロンの細孔を無数に持つ天然の多孔質ガラス体で、調湿機能や断熱機能といった機能性発現のもとになっています。主成分は珪酸ガラス質であり、食品の濾過にも使用されています。屋根の断熱作用を利用して防水層に珪藻土を数センチ塗ると不燃になり、断熱になります。
内外壁に珪藻土と豆砂利を混入したライムウオール外壁用を塗りつけ、筋掻き落としをすると、エンボスと深みのあるテクスチャーが醸し出されます。
吸水効果の簡単な実験
吸水放湿性能を確認するために、現在、流行のバスマットを作りました。珪藻土はライムウオールを使用しているものです。写真にあるように、コップ1杯180CCの水を一気にバスマットに流し込みました。いとも簡単に1分程度で、180ccの水を吸収してしまいました。これだけ水を吸収しても1時間後には、放湿機能を始め出し、翌朝には、概ね実験時の状態になっていました。
ライムウオールに使用する珪藻土の物性
硬化について
珪藻土は珪藻土だけの単体では、水でこねても固まりません。主成分は砂と同じようなものです。そのため、左官材料とするためには、どうしても固めるものとする結合材と併用することが絶対条件になります。
弊社では内部用ライムウオールが消石灰を、外部用が白セメントとドロマイトプラスターを配合したものを結合材料としています。
弊社が使用している珪藻土は非常に軽いものです。
軽くタッピングして嵩(かさ)密度を調べると。消石灰は1リットルあたり950gで、珪砂が1リットルあたり400~500g、で弊社使用の珪藻土が1リットルあたりで150 gです。この軽さが高吸放湿性能のライムウオールとなります。
珪藻土を漆喰へ添加メリット
弊社使用の珪藻土を混入すると、作業上からも利点がうまれます。まず軽量化となり、土の風合いを醸し出し、つや消し効果、コテ伸び,コテ切れ性の向上となります。
また作業時には水練りした砂やデンプンのように、ふくらむといういみのダイラタンシー効果がうまれます。この効果は、ゆっくり鏝で動かせば柔らかくなり、鏝の力を抜くと、その状態を保とうとする優れものでもあります。
珪藻土は多孔質 で カゴのようなものです。
鏝塗り時は珪藻土表面に水分が出て、鏝伸びがよくなります。鏝を離すと珪藻土内部に水分が入り、鏝切れがよくなります。
珪藻土粒の添加効果
ライムウオールの吸着・吸放湿性能の実験結果
①左官材料の無機結合材である漆喰・石膏は、元来から吸放湿性があります。当社の施工では、下塗りに石膏プラスター、上塗りに漆喰に珪藻土をブレンドした、ライムウオールを基本施工としており、さらに壁全体に吸放湿性能になっています。
吸湿効果の簡単な実験
上にあるような表では、実際、どのような効果があるのかが、なかなか分かりづらいと思います。そこで、ライムウオールを小さな塊りにして、簡単な実験をしてみました。100円ショップで売っている広口ビンに、お湯を使ってビンのガラス面をくもらせます。そこに、冷蔵庫の氷を作るトレーを型枠にしてライムウオールを固まらせ、脱型します。その小塊1つを、くもったビンに入れ観察してみますと、1時間程度でビンのくもり取れてしまいました。先のバスマットは吸水の実験で、今回のものは吸湿です。よく、スプレーをかけて、壁で室内の湿気を取りますといいますが、実際には吸水を示すものですが間違ってはいません。吸水と吸湿は深い関係があり、吸水性能が高ければ、吸湿性能も高くなります。
ライムウオールの施工法
弊社のライムウオールは内外壁に使用できます。弊社では内壁に関して以下のように基準として施工しております。
ライムウオールの仕上げ方法
弊社のライムウオールは押さえ仕上げ、磨き仕上げ、外壁にも施工できるのが特徴です。また色どりのある仕上げパターンが可能です。施工単価は1から順次に高くなります。
ライムウオールの仕上げの基本 |
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仕上げの種類 | 仕上げ方法 | 使用する道具 |
1 ランダム等の表わし仕上げ | 削ったり,拭いたりして素材感を出す仕上げ。 | 木鏝、くし鏝、ワイヤブラシ、剣山、発泡スチロール等。 |
2 撫で仕上げ | 仕上げをザックリ目に仕上げ鏝で軽く撫で上げるようにして仕上げる。 | 撫で鏝、波消し鏝等。 |
3 押さ仕上げ | 撫で仕上げ後さらに鏝で押さえて仕上げる。 | 金鏝、押さえ鏝等。 |
4 磨き仕上げ | 光沢のある仕上げで労力を要する仕上げ。 | 磨き鏝、プラスチック粉、手のひら、パフ等。 |
ライムウオールの仕上げ状態
珪藻土の核の周りあるのが漆喰で、消石灰が石灰石の状態になって硬化しています。石灰石となった漆喰は、珪藻土の周辺で隙間を作って硬化しています。この隙間が、更に吸放湿や吸着の効果を高めます。
このように硬化したライムウオールは、耐久性も高く、長くアルカり性を維持して、室内のバクテリア、細菌を除去していきます。ライムウオールによって、室内の環境がよくなることがお分かりになると思います。
ライムウオールの仕上げの事例
下の写真はライムウオールで仕上げられた現場の事例です。空気をやさしくして、シンプルな表情の壁であるため、建物全体を引き締めた空間にします。