左官一服噺  道具○墨壺・墨斗(すみつぼ)ink-pot 47

関東型の墨壷

関東型の墨壷

墨壺(すみつぼ)とは、墨出し道具の一つで、直線を引くときに使用するものです。巻き込んだ墨糸を墨池を通して引き出し,材に張り渡して、はじいて線をつけます。

大工の墨壺と異なり左官用は、壁の隅へ糸を接しなければならないため、糸の出口が細長く突き出ています。関東型はその突き出し口を木で作り、関西型は金属管を挿入しています。

使用の墨は大工用が黒であるのに対して、左官用はベンガラ等で着色した朱色であります。

墨壺には、墨糸の先についてあるもので、猿子(さるこ)と呼ばれているものがあります。瓢(ひさご)形のものに、針が打ち立てられたものです。墨糸が消耗して取り替えるときは、同時に捨てられたりするため「軽子(かるこ)」ともいいます。

墨の打ち方は、猿子に針を打ち立て、墨差しで壺を押さえて糸に顔料が含むようにして引き延ばします。手で引き出した糸の中心部分を垂直に引き、張り上げて放します。あまり顔料を糸に含ませると打ち付けた周辺に、滲(にじ)みが出ることがあるので、捨て打ちをします。

墨壺と対となる墨指(bamboo for marking)は、先端を細かく割って墨を含みやすくした「箆(へら)」の一種でもあります。幅の細い方は頭と呼び、筆の代用にするものです。尖らせることで、細い線を引くことが可能になります。中国では動物の骨を削ったものを使用しているそうです。現場の符丁で、墨付(すみつけ)が女性を口説くことで、墨壺が女性のものをいいます。

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