左官一服噺  建物○土蔵瓦の改修

土蔵瓦の改修工事

弊社では、令和になる直前までの株式会社ポールスタアの敷地にある土蔵二棟の改修工事を行いました。因みに、株式会社ポールスタアは東村山のご当地グルメ商品として「東村山黒焼きそばソース」を自社開発し、地域の特産品として市販するとともに業務用として市内の飲食店向けに供給しています。
ここまで土蔵の内外の構造や壁についてお噺してきました。弊社では、屋根瓦の破損が見られたためその部分も改修いたしました。
ここで見られた瓦の名称とその役割の噺をしていきます。そういえば、一度伝えておきたいたいことがありました。太河ドラマ「韋駄天」で「東京オリンピック噺」として「噺」が使用されていますが、弊社ではホームページ開設以来から落語好きの私が「一服噺」として使用しています。とりあえず。
土蔵の瓦には、風で瓦がよばされないように、白漆喰で半円状に塗られています。ここでは、屋根漆喰としてのものは見られませんでした。今回、姫路城の改修工事で城全体が白くなりすぎたという言葉が頻繁にきかれます。あれは、屋根漆喰が正当に施工された証です。
漆喰も、古くなると黒く汚れます。長い間に黒くなった漆喰の方に摺り込まれ、新しくなった屋根に違和感が生じたと思います。屋根の改修工事をしていない部分をみると、黒い屋根の姫路城が見ることができます。また、経年で、漆喰は黒ずみ元に戻るでしょう。それが、何年後なのか推測できません。
屋根の改修工事に関しては、改めて記載したします。今回に土蔵改修工事で見られた瓦の種類を記載します。
① 紐丸瓦(ひもまるかわら)棟の最上部にある丸形瓦のこと。
② 紐熨斗瓦(ひものしがわら):棟を積むために使用する短冊形の平瓦。
③ 飾り熨斗瓦(かざりのしがわら):棟の雨水を表側と裏側に流すために積まれる長方形の瓦のことをいう。風の渦を分散させる。
④ 鬼瓦(おにがわら):大棟に使用される装飾瓦。
⑤ 鬼板台(おにいただい):鬼瓦を支える板状の瓦。
⑥ 螻羽(けらば):切り妻屋根の妻側の端部
⑦ 風切丸瓦(かぜきりまるがわら):切り妻屋根の妻側に列で引いた丸瓦のこと。
⑧ 平瓦(ひらがわら):そりのある長方形の板状につくられたもの。
⑨ 南蛮漆喰(なんばんしっくい):糊のきいた粘り気の多い漆喰を指したもの。屋根には粘土と漆喰を混ぜ使用する。

杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335 http://s-kent.jp/contact/

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