左官一服噺  歴史○竈(へっつい)kitchen furnace 43

造竈工(へっついや) 尾形月耕画 風俗画報227号 東陽堂 明治34年2月 P5

造竈工(へっついや)
尾形月耕画 風俗画報227号 東陽堂 明治34年2月 P5

竈(へっつい)とは、厨房用具の一種で、土や石で作られ、中を円筒形の空間にして、鍋や釜をかけて火が焚けるようにしたものです。要は「竈(かまど)」のことです。

図にある「造竃工(へっついや)」とは、台所に備えているカマドを造る職人のことであります。カマドという用語は。「釜処」の略語とされています。関東の江戸では「ヘッツイ」と呼びますが、これは「竃之火(ヘツヒ)」語源としており、関西の地域では、「クド」と呼んでいます。農家の竃は、土間に直置きして塗り仕上げるものでしたが、江戸の長屋では木製の台枠の上に横桟を掛渡し、竹賓の小舞下地として上に置いて壁土を塗ってベースとしています。さらに瓦等を壁土と相互にして積み上げています。壁土で中塗りをしてこれで仕上げとするものもありますが、さらに上等なものは、漆喰で上塗りをして磨き仕上げをしています。磨き仕上げをすることで、煮炊きの吹きこぼれを容易に拭き取ることができます。

江戸時代、竃作りは左官職人の仕事でもありました。竃が壊れると、長屋仲間や出入りの左官職人が直しましたが、一方で「へっつい直し」の掛け声の流しもありました。江戸の竃は、焚き口を座敷の方にあり、外壁面を背にします。長屋等の小所帯の竈は、二つの焚き口を持ちこれを「二つ竃」といっていました。

現在の日左連会館の近くの箪笥町には、竃を専門に造る職人が軒を並べていたといいます。

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