左官一服噺 作業○斑直し(むらなおし)spots repair 41
斑直しとは、塗り厚または仕上げ厚が大きいとき,あるいは斑が著しいときに下塗りの上に塗り付けること,またはその塗り層のことです。平面の凹部に塗り付けて中塗りに対する下地としての平面度を修正する工程でもあります。よって鏝斑(こてむら)と斑直し(むらなおし)とは、「粗雑な鏝さばきで鏝斑がおき、斑直をして、修正する。」と表現できます。これらは、一連の作業にあると思われがちです。もちろんそれもありますが、我々左官職人はもっと広範囲な意味合いにとらえ、色斑、鏝波等も鏝斑に含めることがあります。
そこで、塗り厚とは、平均塗り厚さとしての標準値を示しています。仕上げ厚から下・中・上塗りを差し引いた残りが斑直しの塗り厚になります。下斑直しは、塗りを十分硬化乾燥させてから行う場合と,下塗りに引き続いて斑直しを行う場合とがあります。
「斑直し」は、先に述べた作業上粗雑な鏝操作で発生した場合は、請求を求めることができません。しかし、塗り代が多く、工程上で必要な場合、これを「中付け」ともいいますが、反対に見積りが必要です。土物工法では工程に組み入れられています。
斑直しとよく同意語に使用されがちな、付け送り(applying mortar)とは、躯体の補修工事の一部とされております。下塗りに先立ち,仕上げ厚を均等にするため,モルタル等であらかじめ不陸を調整することです。一般に、躯体の補修等は予知できない場合が多々あります。ここで、いつも監督と左官とがもめるところです。
鏝斑と斑直しは、現象と原因が複雑に交錯しあった表現ですから、表にまとめてみました。経験から出てきた職人の言い伝えは、これらをよく言い当てています。
杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335 http://s-kent.jp/contact/
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