左官一服噺  作業○鏝斑(こてむら)trowel irregularity 40

波消し鏝 なぜ鏝、なで鏝,糊差しともいわれる。土もの仕上げになる壁の鏝波を消すために用いられる鏝で、主として糊を使用する本格的な京壁の砂土物、糊差し仕上げに使用される。材質は鋼を用いて丹念に鍛造したものに、昔ながらの「センスキ」作業で仕上げる。関西地方で糊さしと呼ばれるこの道具も波消しの部類に入る。鏝の先端には糊溜まりと称するくぼみがついている。波消しは鏝の肉厚も最先端では0.1㎜、最も厚い部分でも1㎜という非常に繊細な鏝で、使用するにも経験と技術が必用である。

波消し鏝
なぜ鏝、なで鏝,糊差しともいわれる。土もの仕上げになる壁の鏝波を消すために用いられる鏝で、主として糊を使用する本格的な京壁の砂土物、糊差し仕上げに使用される。材質は鋼を用いて丹念に鍛造したものに、昔ながらの「センスキ」作業で仕上げる。関西地方で糊さしと呼ばれるこの道具も波消しの部類に入る。鏝の先端には糊溜まりと称するくぼみがついている。波消しは鏝の肉厚も最先端では0.1㎜、最も厚い部分でも1㎜という非常に繊細な鏝で、使用するにも経験と技術が必用である。

鏝斑(こてむら)とは、左官仕上げ不具合の一種で、鏝斑は、粗雑な鏝操作などによって塗面に生じる「鏝波(こてなみ)」といえます。鏝斑もいろいろあります。

まず、粗雑な鏝操作などによって塗面に生じる鏝波や、鏝で仕上げ状態での良し悪しもあります。左官技能者の鏝の扱いによって、発生するもので、同一材料でも、発生することと、発生しないことがあり、左官技能者の技術の差によるものが多くあります。鏝斑は粗面仕上げより、金鏝仕上げの方が目立ち、粗面仕上げでも、骨材が大きいより小さい方が目立ちやすくなります。また出隅、入り隅でのラインは、正確になるように気をつけます。鏝が平らに動かないことで、発生する鏝斑もあります。

鏝斑を起こす原因としては、鏝操作の粗雑以外にも、塗り付けた材料の水引きの斑等があります。水が引いた部分を無理に平滑にしようとして、鏝をかけ過ぎると、鏝当りや鏝が負けて塗面の「色斑(いろむら)」や「焼き切れ」などを起こします。特に、最近、クレームになるのが色斑です。「白華(はっか)」や「ブリージング」とも関連しますが、特に漆喰や珪藻土建材に多く見られ、現場での対処に苦慮しています。仕上げの押さえ作業で鏝圧をかけると、鏝表面にブリージング水が出ます。鏝表面のブリージング水で、壁面は平滑になるのですが、比重の小さい顔料、特に黒のカーボンが浮き上がりレイタンスのように定着して色斑となります。このメカニズムはフレスコ画の手法に似ています。

鏝斑の防止や解消策は、以下のことが考えられます。

①塗面を粗面仕上げにする。(刷毛引き等)

②定木ずりなどで削り落とす。

③表面に水刷毛や霧吹きをかけ、戻して平滑にする。

④左官の腕と鏝の改良。(波消し鏝、だるま鏝等)

現場状況、天候、予算等で手段を選択しますが、そこには経験が大きくものいうことになります。

img002-1杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335    http://s-kent.jp/contact/

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