左官一服噺 材料○沖縄漆喰ムチ(muchi-Sikkui)22

沖縄漆喰ムチ沖縄漆喰ムチとは、古来より沖縄では、焼いた珊瑚を地べたの穴にいれ藁と水を入れて消化させ、石臼で餅を付くようにして、藁すさの繊維をときほくしました。このことから「ムチ」は食べる「餅」からの派生語と言われています。日本では古来より石灰の焼成には「塩焼き石灰」と称して石灰岩に対して0.2%程度の食塩を混合することにより焼き締まりを防止し、軽焼き石灰を得る方法が用いられてきました。それを裏付けるように、戦後から日本に復帰するまでの沖縄漆喰の製作は、海岸の干潮になったときを見計らい、てんま船で沖に出て約2㍍程の海底に素潜りで珊瑚を採取しました。大きな網を海底に広げ、その網の中に採取した珊瑚を入れて引き上げのです。バールを珊瑚の割れ目に入れ込み崩しとりますが、一度バールを入れ損ねると、再度のバールは入らずに採取がその部分では不可能になります。珊瑚は生きている証拠でもあります。採取した珊瑚(海石)を細かく砕き、海浜に煉瓦を積み海浜に煉瓦を積み赤土で塗り込んだ土窯を造り、海水を含んだ珊瑚を約1000℃で2晩かけて薪や古タイヤで焼きます。土窯から焼き上がった石灰が熱いうちに、4~5㎝の藁を混ぜ合わせながら水をかけと、藁は蒸されて柔らかくなります。その状態で2~4放置しておき再度撹拌して漆喰をつくります。

現在では、自然保護や各規制のために野焼きも珊瑚の採取も行っていません。生石灰を消化させ、蒸した藁を混ぜ合わせ2~3日程度寝かせたのち、混練りしてつくります。九州大分県津久見より生石灰を取り寄せ、台湾より藁を輸入しての沖縄漆喰「ムチ」となります。

漆喰は作り上げた時点では、黄色でありますが時間が経過すると白色となります。この漆喰が沖縄の屋根漆喰となり、赤茶の瓦と白の漆喰のコントラストの屋根を作り出します。また沖縄で有名なシーサーの多くはこの漆喰「ムチ」によって制作されてきたものです。

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