左官一服噺 杉並の左官 1 ~20
左官一服噺 実験○フロー試験(flow test )20
フロー試験は、フローコーンを引き上げた後フローテーブルをカムによって上下させて、モルタルに落下衝撃を与えモルタルの広がり(径を最大と認める方向とこれに直角な方向との平均値)を求め、Consistency(流動性)を判断するものです。
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左官一服噺 材料○モルタル(mortar) 19
細粒の骨材と結合硬化材を練り混ぜたもの。結合材料によって、セメントと砂→セメントモルタル、石灰と砂→石灰モルタル、樹脂と砂→樹脂モルタルとなります。一般にはセメントモルタルで、ポルトランドセメントに砂を混ぜたものをいいます。「モルタル」は、臼(うす)、乳鉢(にゅばち)の意味があり、すりつぶして使用するものが転じて、結合材と骨材と水混合して練ったとものに転じたものです。
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左官一服噺 下地○小舞下地(bamboo lathing) 18
現代の日本建築は、開放的な建物が好まれるが、古代の一般民衆は夏の暑さよりより、冬の寒さから身を守る方が重要でありました。人々は、石の上に柱を建てる石場建構造にして、外周面を藁縄や蔓で小枝を格子状に組み上げて「小舞」と呼ぶ壁下地を作ってきました。それに泥を塗って覆えば、強固な外壁となります。「小舞は掻く」と表現し、屋根や壁の下地で竹や貫を縦横に組んだものの総称でもあります。「小舞」が水平材料で、「えつり」が垂直材料とされています。
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左官一服噺 建物○掘建小屋(ほったてごや)(Shack)17
縦穴住居の掘建小屋は、屋根の存在が外壁の役目も果たしていました。小屋組をし、草を敷き広げその上に土を敷き、再度、草かぶせるという要するに、土をサンドイッチにして断熱効果のある建物が遺跡より発掘されています。この事実は、土壁が仏教伝来依然に存在した可能性が秘められているものです。
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左官一服噺 下地○左官下地(Plastering base) 16
左官でいう下地とは、最終の仕上りに至る直前までの仕上工程を、一括して下地といいいます。『壁下地』の略でもあり、単に「地」ともいいます。
下地の条件として
1.左官塗りを支持する下地は必要な強度を及び剛性が塗り層より大きいことである。
2.地震時及び通常時に左官塗りを支持するに必要な取付け強度を実現できる材質及び形状であること。
3.下地が塗り層の硬化や乾燥を妨げにならない
4.左官の塗り種類に化学的に適合した材質とし、さびによる汚損・化学反応、吸水などによる塗り層の脆弱化などが生じないこと。
5.下地と塗り層とは良好な接着界面があること。
があります。
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左官一服噺 文様○亀甲模様(hexagonal pattern) 15
亀甲模様とは、六角形を各辺に繋(つな)げたものです。海鼠壁によく使用されます。亀甲模様を製作するには、亀甲瓦がないので、漆黒のタイルを利用します。瓦の中心と決め、その中心から、ぶん回し(コンパス)で、円を描き、半径を基準として接点を出して六角形を割り出します。小学校で習った作図法です。その亀甲模様を馬乗り模様にします。
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左官一服噺 建物○富山県高岡市の土蔵(Dozo-building) 14
富山県高岡市の土蔵造りの特徴は、大きな建物ほど黒漆喰仕上げで、洋風建築の要素が各所に見られれます。これは明治26年にイギリス人技師によって、煉瓦造りの高岡紡績工場が建設され、それに伴い地元の大工・左官が携わり、その影響を受けたからだと思われる。
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左官一服噺 材料○吸水調整材 (absorbing water adjustment materials)13
吸水調整材はシーラーとか接着増強材といわれていたが、接着剤ではありません。また、シールするといっても全面的に水が吸い込まないようにすることでもありません。かつて、吸水調整材が発売された当時、たくさん塗布すれば付着力が増大するといったいった誤った使い方されていました。これによって多くの不具合が生じたことは記憶に新しいものです。
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左官一服噺 材料○石膏プラスター (gypsum plaster)12
石膏プラスターは紀元前2000年頃に、すでに、焼き石膏として、焼成と水和硬化性が知られていました。我が国で天然の石膏があまり産出されなため、昭和戦後になって、主にアメリカからの輸入により、多く使用されるようになりました。石膏プラスターは、針状結晶が生成されて膨張して結合します。火には強いが水弱いという特徴があります。
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左官一服噺 材料○影盛漆喰
影盛は鬼瓦の背景で後側のことで、これを鬼瓦と棟の接合部させる漆喰工法です。土を使って瓦屑をべた土積みしながら積み上げるものと、瓦屑を竪(たて)に漆喰で接合して、箱積みに作る工法の二つがあります。ずんぐりとどっしりとした形に作ることが要点とされます。
(衣食住之内家職幼絵解之図より)
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左官一服噺 材料○荒木田土 (arakida-clay)11
荒壁用の粘土の一種で、荒壁用の土の代表的なものです。東京郊外で、かつて荒木田村から産出したものが土壁用として良好であったため、この地を取っています。瓦葺土用の土も、東京では荒木田土といっいます。大阪方面では、畑の粘土で荒木田土に対するものを「山土」といっています。角力の土俵は硬さ、水締り加減で、荒木田土が最良とされています。またこれらの土は、日本壁工事では大量に必要とするために、いずれの地方でも、付近の山土や水底の土を採取して使われています。荒川生田土(あらかわきたつち)の略ともいわれています。
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左官一服噺 材料○荒壁の水合わせ (water alignment)10
壁土は、荒苆を加え、塗付けを行うまで湿潤状態を保ったまま保存しておきます。これを水合わせともいいます。土中に水が張られた状態によって、酸素の流通ができず、還元の状態になります。そのため土の微生物は嫌気性の微生物が増殖して、アルカリ性に変わります。アルカリ性の土は、土の結合となる、金属イオンが土粒子への吸着として安定させます。暑いこの時期に、嫌気性の微生物によって藁の腐食がすすみます。水合わせは、裸足で行っていました。土の塊や、夾雑物を足裏で確認して、拾い出します。
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左官一服噺 材料○苆の効用 (utility of fibers for plastering)9
①繊維の引っ張り強度を利用して、壁面組織の増補強。
②すさ周辺に微細なひび割れを発生させて、壁面の収縮を緩衝させる。
②壁組織のつなぎとなり、ひび割れ防止や曲げ強度を向上させる。
③塗り壁材料に弾性力を持たせ、鏝伸び、鏝ばなれをよくし作業性の向上させる。
④保水性能を高める。
⑤藁を壁面に現して彩りを添える。
⑥本来の補助的素材のすさから「表現のすさ」として使用。
⑦天然すさは吸放湿効果を高める。
麻苆
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左官一服噺 材料○苆(すさ) (fibers for plastering)8
かつて、お米俵、下駄の鼻緒、船のロープ等のリサイクル品を使用してきました。関西では「すさ」と、関東では「つた」とも呼んでいます。荒壁の下塗りに藁(わら)を、上塗りに麻を、また古代の法隆寺以来、紙苆も使用されてきています。
藁苆
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左官一服噺 道具○欧米の鏝 (European and American trowel)7
欧米の鏝は角鏝が主流で、鏝首は日本のように、かしめ接合ではなく、補助板によってビス止めされています。鏝首の位置は日本と同じでありますが、柄の取付けが元首形式になっているため『くそ握り』となります。欧米の仕上げは、吹付けたり、掃き付けたりして、削り取って仕上げる工法でああります。大壁構造のために、鏝の移動は拘束されることが少なく、引き通して仕上げるので、角型の方が都合がよいのです。さらに、この角鏝は左手に持てば鏝板に変身いたします。
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左官一服噺 建築物○旧開智学校 文明開花を謳歌する自由な発想の偽洋風建築 (tracing western-style building)。6
和風でない、洋風でもないもの、それを簡単に表現できたのたのが左官材料の漆喰であります。疑洋風建築物の頂点が旧開智学校の漆喰系疑洋風であります。車寄せの上に唐破風をつけ、その上に、エンジェルが舞い、その下に龍が施されています。窓には舶来ガラスをふんだんに使用し、「ギヤマン学校」とも呼ばれていあました。和も洋も、そこで使えるものはなんでも使うというもので,それをなしとげたのが、「漆喰」でした。
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左官一服噺 仕上げ○シーサー (Okinawan lion Schiesser)5
古来より沖縄では、漆喰材料を得るために、現在では行いませんが、珊瑚を地面の穴に入れ野焼をしていました。藁と水を入れて、消化させ、石臼で餅を搗くようにして、藁苆の繊維をときほごし捏ねます。このことから『ムチ』は食べる『餅』からの派生語ともいわれている。沖縄で有名なシーサーは、このムチと島瓦でできています。
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左官一服噺 仕上げ○下地窓 (window unpainted)4
利休は当時の農家の窓を応用しこれを下地窓として昇華させました。壁を塗り残して、窓下地である小舞をそのまま見せるものであります。方形や円形が多のですが、方形では縦・横の寸法は異なることがます。皮付の川葭を使用し、外側を縦、内側を横として不揃いに配列し、要所を藤蔓で掻いていきます。周端の縁は、丸く塗回し、これを「蛤面(はまぐりめん)ともいいます。ひび割れ防止と剛性を高めます。
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左官一服噺 材料○漆喰 (Japanese lime plaster)3
漆喰(しっくい)は、我が国で古来より、土とともに広く使用されてきた左官材料です。消石灰を主材とし、貝灰、糊、苆、紙苆をも使用します。
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左官一服噺 道具○ 鏝(trowel) いい道具がいい仕事を呼ぶ。2
左官道具の「『鏝( コテ)』とはコが土を和するを云ひて、テとはこれを執て塗るをいうなり。」と、新井白石の東雅に著しています。カネ偏に曼で金属を広げたものとしており、魚編に曼で、魚をさいた「鰻」となります。日本の鏝は、鏝先角度が直角でなく、肩部分が、微妙な曲線を織りなしていて、日本刀の切っ先をイメージできます。形状が欧米の鏝と異なる理由は、日本の壁が真壁であったことと考えられます。柱の隅や鴨居の散際、また柱と鴨居の角で、鏝が拘束されるが、この微妙な曲線を利用して鏝さばきを可能にさせることがでます。さらに、鏝の先端部分が直角でなく、多少鋭角であるために、柱と鴨居の散際での微妙な材料の移動を可能にさせることができる優れ物です。
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左官一服噺 歴史○職人尽発句合の左官(plasterer)より。1
壁土をよく練ったとあり、寺の外壁塗りのことであろうか。鏝板から壁土を少しとって鏝で壁に塗りつけてならしているとこです。江戸期の左官の様子が判ります。
このアルバムには 1 枚の写真があり、OneDrive で 2015/11/12 まで閲覧できます。
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