街中の土壁を可能にするには・・・?
現在、都心それも街中で土壁の計画することは、大きなハードルがあります。
まず高いハードルとして、小舞を掻く職人がいない。
次に、水合わせする場所がない、それ以前に土壁はどこから採取(入手)したらよいか?となります。
それらを、解決するために、弊社では、いろいろ情報を集め、実行してみました。まず、文化財的なものでなければ、おのずと予算に限界があります。「費用負担が少ない土蔵の改修」のさらに厳しい予算の中で、試みました。
主要な工法は
1小舞は掻くのではなく取り付ける。
2.土壁は袋入りの壁土を使用し、置き場を確保する。
3.藁は、事前に水に浸し、その溶液は宝物として土練りし、水合わせ期間を少なくする。
4.荒壁から、丁寧に塗り付けなるべく工程を少なくする。
5.ちりまわりには、メッシュを打ち込む。
6.中塗りはちり回りメッシュとよく接合する。
7漆喰塗りは、既調合漆喰とし、珪砂入りの砂漆喰で下こすりをし、メッシュを挿入する。
8.追っかけ上塗り漆喰をし、表面は梨目状態にして、漆喰の横光を防ぐ。
柱と貫板の状態。
柱寸法は120㎜です。
今回はネット状になった小舞を貫板にラス用ステープルで留め付けします。
使用したステープルは1025TSで肩幅が
10㎜、脚の長さが25㎜のステンレスのT線を使用しました。
1小舞は掻くのではなく取り付ける。
メッシュ状の小舞は小舞を掻くと同様に、横竹を室内側に縦竹を外部側にして貫板に留め付けます。
チリ周りの留め付け、ステープルを斜め打ちしています。しかし、荒壁を塗り付けた後に荒壁土の自重で、小舞の変形がみられました。
そこで、裏摺り後、内壁側から、垂木で補強いたしました。間渡し竹が使用できない場合は、事前に内壁側に桟木等を柱、桁等に打ち付け、そこに小舞を留め付けた方が良いとわかりましました。
2.土壁は袋入りの壁土を使用し、置き場を確保する。
捏ね場は、袋詰めのものを使用して、材料造りの場所と時間をかけないようにしました。
3.藁は、事前に水に浸し、その溶液は宝物として土練りに使用する。
藁との捏ね合わせはミキサーを使用し、水は藁からのリグニン溶液を利用して、早く粘性を出すようにしています。リグニン液は、コンクリートの減水剤、増粘作用、界面活性剤に使用されています。そのため、藁から溶出されるリグニン液は、廃材としてしまうのはもったいないことです。
4.荒壁から、丁寧に塗り付けなるべく工程を少なくする。
5.ちり周りには、メッシュを打ち込む。
土壁は、ちり切れが発生しやすので、写真にあるようなメッシュを補強としました。
6.中塗りはちり回りメッシュとよく接合させる。
中塗り土は、砂1.5と、もみ藁1.5を入れたものを使用していました。
7.砂漆喰の下こすり
漆喰塗りは、既調合漆喰とし、珪砂入りの砂漆喰で下こすりをし、メッシュを挿入しました。。
8.漆喰の上塗り
追っかけ上塗り漆喰をし、表面は梨目状態にして、漆喰の横光を防ぎます。
杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335 http://s-kent.jp/contact/
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