劣化した屋上のモルタルを若返らせ、断熱効果を付加させます。

マンションの屋上に施された防水モルタルが劣化しています。まず、劣化したモルタルを新しい息吹を加えます。さらに、上に断熱処理をします。断熱というと、発泡スチロール等の断熱材を敷きこむことが、一般的です。今回の施工は、塗装材料で断熱効果があるキルコートで行っております。

防水保護モルタルの劣化状態

防水保護モルタルにひび割れ、表層に砂が現れており、経年により風化が見られます。また、目地棒を抜いた箱目地には、ひび割れ・角欠けが見られます。これらを、健全な状態にする必要があります。また、お住まいの一部には、敷物を設置された方々がおり、それらを撤去する必要があります。敷物があったモルタル部は、風雨に曝らさせずに劣化していませんでした。

防水保護モルタルの劣化状態

高圧水洗浄

モルタル層の高圧洗浄で、劣化したモルタル表層の汚れ・砂等を洗い流しました。高圧水洗浄

劣化部分にモルタル改質強化剤の塗布

次に劣化したモルタルを若返れる薬としてモルタル改質強化剤を、モルタルに浸透させます。この材料の商品名は、「サンマテラーアクア」で、「超微粒子含浸性コンクリート改質強化剤」と呼ばれるものです。

この材料の特徴はモルタル層に50~80mmと深く浸透し、、モルタル中の水酸化カルシウム、アルカリ物質と反応します。ポゾラン反応によって、水酸化カルシウムは結晶増殖となるケイ酸カルシウムに化学変化し、モルタル内部の毛細管空隙を充填して、ひび割れの抑制に大きな効果を発揮します。これによって水に溶けない不溶性のモルタルとなり硬化組織を形成し、若返らせます。この空隙充填をすることで、圧縮強度増強、漏水止水、ひび割れ抑制、エフロ抑制硬化があります。詳細は サンキ化工 を参考にしてください。

劣化部分にモルタル改質強化剤の塗布

ポリマーモルタルによる下地処理

このポリマーセメントモルタルは、弊社のアツモルです。下地モルタルの接着力は高く、下地の動きに対応できる弾性力があります。ポリマーモルタルによる下地処理

下地調整モルタルにモルタル改質強化剤の塗布

前回、劣化部分にモルタル改質強化剤の塗布しましたが、今回は、ポリマーモルタル塗り部分にサンマテラーアクアを塗布しております。今回の目的は、モルタル強化というより、次工程の断熱塗料のプライマーとしております。このプライマーは断熱塗料の接着を確実にする重要な役目をします。これから、太陽による熱・紫外線、雨による湿分からのアタックに耐えるものです。下地調整モルタルにモルタル改質強化剤の塗布

断熱塗料の塗布

断熱塗料はキルコートです。この材料は水溶性ハイブリッド断熱塗料としております。遮熱・断熱・保温の目的が1種類で可能です。キルコートはアクリル・エマルジョンに中空ビーズをブレンドした水性塗料です。厚さ0.3mmの塗膜が、夏は太陽熱、冬は冷気から守る保温(保冷)の役割を果たします。断熱塗料の塗布

撥水剤の塗布

撥水剤は、ダストテクトです。ダストテクトは、塗装面や石材、打放しのコンクリートなどの外壁用保護材料として開発されました。フッ素樹脂を含んだシリコーンナノハイブリッドコーティング材です。ダストテクトは、水蒸気のみを通し、雨や水滴は通しません。通気性を保ちながら高い撥水効果を発揮し、塵埃や苔など汚れの付着を防止します。また、耐オゾン性・耐候性も極めて良好で、紫外線による影響をほとんど受けず、外壁を環境からしっかりと保護します。この性能を今回、床に応用しております。撥水剤の塗布