左官一服噺 職種○漆喰屋(Shikkuishop )94
江戸末期に建材店とされる「漆喰屋」という職業が生まれました。有名な安政の大火は、大地震による火災で、多くの町並みを延焼させました。類焼を免れた家屋でさえ、大地震のよって、破損、倒壊という大打撃を被ることになります。しかし、火事に慣れきったといえ、江戸っ子たちは、踏ん張り、たくましい復興の動きがここで展開されます。
それに伴い江戸の職人たちは、仕事量の増大が見込まれ、当然、江戸の職人たちだけではまかないきれず、地方の職人たちが大挙して、江戸に参集しました。建築資材の供給とともに、材木屋や建材屋が、これを契機として、数多く開業し、活況になります。
これまでの建材屋は、焼いた貝灰を自然消化しこれを販売していました。左官はこの貝灰に、海藻角又を煮て、苆(すさ)合わせをして、鍬で漆喰を捏ね合わせる、現場調合の漆喰でした。しかい、安政の大火によって、左官の仕事量の増大と共に、材料の製造に手間をかけられなくなります。そこで登場するのが「漆喰屋」です。
貝灰と角又糊と苆(すさ)を混合して、捏ね合わせたものを、樽に詰め込み馬車や手押し車で、現場に納めました。この作られた漆喰は、現在の既調合漆喰の前身よいえるものです。
杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335
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