左官一服噺  材料○石膏の性質2(せっこう)(gypsum)84

吉野石膏 Bドライ Bドライ 用途 吉野石膏 Bドライ せっこうラスボード下地への下・中塗用

吉野石膏 Bドライ
Bドライ
用途:せっこうラスボード下地への下・中塗り用

 

昭和20年に戦後を向え、吉野石膏・日東石膏・サンエス石膏の3社で製造が開始されました。石膏プラスターは、占領軍の発注により需要を大幅に伸ばしました。当時、製造された石膏プラスターは、廃型石膏・天然石膏とともに、主として燐酸工場での副産物の化学石膏を原料とした混合石膏プラスターでした。

  昭和30(1955)年頃を境にして、石膏ボードの需要が大きく進展していきました。その理由としては、昭和23年(1948)に吉野石膏が、「石膏ボード事業は、競争と量産なくして繁栄なし」の精神から、あえて特許権を放棄し、技術公開譲渡を行い、日東石膏、大阪耐火ボードに、ボード製造技術の公開指導を行ったのです。このことが石膏ボードの需要拡大に貢献したことにもなります。

さて、石膏プラスターの性質の続きは、

石膏のぬれ強度

  硬化した石膏は、水に濡れると強度は半減します。濡れることで石膏が熔解し、直接結晶同士が接触する部分に間隙をつくり、そこに溶媒が入り込み、急激な膨張を起こり、すべり抵抗が無くなり強度低下にさせます。

  ポルトランドセメントは高温時には、強度発現が大きくなりますが、石膏プラスターは、逆に低温時のほうが強度の発現が大きくなります。焼き石膏は混水後、低温時の方が溶解度が大きため、微細な石膏の結晶を多量に生成するためといわれています。

 

膨張

石膏の最大特徴は凝結、硬化の際にわずかに膨張することです。この膨張は見かけの膨張で水和に伴って約7~10%収縮します。しかし微細な針状結晶が合交錯し合って、見かけ上の膨張を示します。この見掛けの膨張は約0.3~0.8%とされています。

 

硬化遅延剤と促進剤

 石膏の硬化を遅らせる混和材としては、布海苔、角又、ゼラチン、ペプトン、でんぷんなどの有機物が知られています。無機化合物としては、ほう砂、リン酸ソーダなどがあります。

  一方で硬化促進剤は硫酸塩が多く使用されています。焼き石膏を製造し、硬化遅延剤を混入するが、それをうち消すために促進剤を混入することがあります。しかし、この硫酸塩が白華の原因にもなることがあります。

付着強度

石膏の付着の機能は、針状結晶が生成されることによってボード厚紙に刺さり込むようにして、機械的に接着します。また、硫酸カルシウム(CaSO4)の粒子の表面が+に帯電し、-に帯電する厚紙の繊維の下地と間で引き合う力が生じることでより付着は増幅されます。これを、イオン結合ともいいます。

この接着は、石膏がカチオンコロイド(陽イオン分散質)になっているためです。もしセメントや石灰などのアルカリ質が混入されたら、石膏がアニオン化(陰イオン)に変化して、下地のボードとお互いに反発しあい、この効果を失い、はく離・硬化不良の原因ともなります。

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