左官一服噺  材料○石膏の分類(Classification of gypsum)78

Cトップ(吉野石膏ホームページ)より

Cトップ(吉野石膏ホームページ)より

左官が使用する石膏は、結晶形の違いでα型(アルファーがた)半水石膏と、β型(ベータがた)半水石膏に分類されます。

α型とβ型石膏の見掛けの性質の違いは、標準混水量、凝結時間、凝結線膨張率、強度などにみられます。化学的には、α型のほうが整った外形を持っているため、混水量が少なく、高強度が得られます。

よって、α型は、水蒸気や水の中で転移して、結晶の形が整って緻密であるのに対して、β型は、殆ど二水石膏の形のままで、水が抜けたポーラスな状態になっています。

またα型石膏は、少ない水で撹拌できるため、高密度となり高強度となります。これに対してβ型は、水量が多く必要となり、低密度となり、比較的低強度となります。しかし、水和の反応速度については、β型の方が早くなります。左官用として使用される、SLプラスターは、α型の石膏を使用して床の耐久性・強度を高めます。

吉野石膏の既調合石膏プラスターは品質が高く、内壁の材料として最良のものと思われます。その中で、Cトップはα型の石膏を主材としており、高い表面硬度があります。石膏は、そもそも、中性なため、漆喰のように、合板の灰汁や仕上げとなる京壁やクロスへの変色が発生しないという利点があります。また石膏は硬化時間が早いという性能もあり、仕上げ材料としても、漆喰よりメリットが多く見られます。下にα、β型石膏の物理的性質を表しておきます。

 α、β型石膏の物理的性質  
 種別  α型 β型
 標準混水量(%)  35 90
凝結時間(分) 15~20 25~35
凝結線膨張率(%)  0.28 0.16
強度1時間後  引張 35    7
強度 1時間後 圧縮     280   28
強度 乾燥   引張         70  14
 

強度 乾燥   圧縮      

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