左官一服噺  工法○熊本城の屋根漆喰(Kumamoto Castle roof Shikkui)68

熊本城の屋根漆喰

熊本城の屋根漆喰

熊本城の屋根は、本瓦葺きです。本瓦葺きとは瓦葺き屋根の葺き工法の一種で、下葺き、土止め桟、葺き土で下地を構成し、平瓦、丸瓦を交互に並べる工法です。棟のてっぺんは雁振瓦(がんぶりがわら)で、棟の最上部にある瓦のことです。雁振瓦の形状で、継目の重ねに鍔(つば)があるために、鍔瓦(つばがわら)又は、冠瓦(かんむりがわら)ともいいます。雁振瓦の継ぎ目は、細長く塗り上げた紐漆喰で繋ぎ留めます。

雁振瓦の下は、熨斗瓦(のしがわら)です。熨斗瓦は屋根の棟で、雁振(がんぶり)瓦の下に積まれる平瓦です。長方形で、中央に切目の線があるもので、二つ割として棟積みに使用します。熊本城の熨斗瓦は、灰墨入りの南蛮漆喰で塗り籠められています。その下には、丸瓦の一種である小瓦が互い違いに、小口を表してアクセントにしています。その下には熨斗瓦が表れており、紐漆喰の先端部分は、印籠型の星漆喰で仕上げられています。星漆喰は屋根漆喰の一種で屋根棟の熨斗瓦の目地に塗るものです。下から見上げると、散点して星のように見えるのこの名がつきました。

大棟の先端には、鬼瓦である装飾瓦が金物で留め付けられています。関東では、鬼瓦の背面のかぶせの漆喰である、影盛漆喰が存在します。

屋根の本瓦葺きの平瓦と丸瓦は、紐漆喰と腹漆喰で雨水の侵入を防ぎます。

屋根漆喰工法は、朱墨で仕上がり墨を打ちます。まず下付けをします。これを「バラ付け」といい、擦り塗りをします。この擦りを「金縛り」ともいい、瓦と漆喰を接着させる要(かなめ)ともいえます。次に中塗りの「中付け」をし、上塗りを行います。屋根漆喰では特に「上押し」といい、漆喰を硬押えして、表面強度を高めるようにします。

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