塗装改修工事
建物の塗装の依頼では、建物本体だけでなく、外構を含め建物に付随するものが多くあります。それぞれの劣化状態で、改修方法が異なります。ここでは、劣化に応じた改修でなるべく安く・耐久性を高め・建物に性能を付加する材料、工法をご提示いてあります。参考にしていただき、連絡をお持ちしております。
杉並の左官です。塗り替え、リフォームお待ちしています。電話03-3398-4335 http://s-kent.jp/contact/
木造モルタル下地の外装診断
まず、お客様の要望を次に建物の年齢、病状、改修の有無をお聞きし、調査・診断を行います。外壁は小さな玉吹きにアクリルの吹付けトップが施されています。また外壁モルタルには小ひびがあり、補修が必要です。2Fに上がる外階段で、雨水等で錆による劣化が発生しています。外塀は、土圧により、モルタルのひび割れや浮きが見られます。
今回の工事の概要は、調査・診断に基づき、不具合箇所を健全な姿に戻すことにあります。それは、現在ある吹付けパターンを生かし、外壁の美装をすることです。さらに遮熱塗料として、アパ-トの価値を高めることにしています。外壁に遮熱性能を付与することで室内温度の上昇を抑制すると共に、壁面自体の温度上昇が低減されるため、劣化要因の一つである熱劣化を抑制します。さらに下地基材の熱による膨張収縮も緩和します。
改修前
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改修後
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高圧洗浄
外壁全体を高圧洗浄を行い、埃、苔、汚れを洗い流します。階段の手摺壁は窯業系のサイデイングです。この部分は。水性のシリコン系の塗装としています。
ひび割れ補修・下地処理
外壁面は、まず吹付け用のアクリル弾性の主材で、小さなひび割れを埋める様にして補修します。さらにサーフという下地処理剤を壁面に塗り、遮熱効果を高めます。サーフフェイサーは、微弾性で、防水性や旧塗膜表面の微細なひび割れ、巣穴等をカバーします。
外壁部の遮熱塗料仕上げ
今回使用に遮熱塗料は水性シリコン系で耐久性が高いものです。熱線反射機能を持つ上塗材は、太陽光のうち、近赤外線(熱線)を高反射し、幅広い色目の範囲で夏季の熱暑から躯体の温度上昇を抑制し、冷暖房負荷を削減します。アクリルシリコン樹脂が主要構成成分であり、強靭で優れた耐薬品性、耐侯性、耐久性があります。遮熱塗料は微弾性を持つ下塗り層と、遮熱性・低汚染性を持つ上塗り層で構成されます。水性材料の使用は、お住まい住民や近隣の方々への配慮がお客様の要望かありましたので、水性材料を採用いたしました。
今回使用の材料は、日射反射率70%のものを使用しています。色彩が淡色、白色に近いほど日射反射率が高くなります。
破風・天井と樋塗装
破風・天井は、超耐久低汚染型で一液水性セラミックシリコン樹脂塗料の塗装です。この材料は、今までこの建物に塗装されたアクリル樹脂系塗料に比較して耐久性が高く、ライフサイクルコストが低くります。塩ビの横・縦樋はウレタン系1液塗料の樹脂塗料としています。
鉄部の塗装
鉄骨階段の鉄部の錆び・防水床面のトップコートの劣化が目立ちます。防水層の劣化が促進すると、階段裏に水が透水していき錆を増進させていきます。
劣化し始めた鉄部で水が浸入した箇所に見られます。 |
鉄部は錆止めを施します。ターペン可溶の1液変性エポキシ樹脂塗料で、防錆力を持ち、素速い乾燥性の錆止め塗料です。「ターペン」とは、テルペン油から変化した言葉で、現在は石油の精製から造られます。 |
手摺壁は水性シリコン系の塗料、鉄部はウレタン系1液製塗料、床は水性骨材入りトップコートです。階段での雪、雨でのスリップ事故を防ぐために骨材入りと歩行可能時間が短いものを採用しました。 |
塗料の希釈での分類
このように塗料は、使用箇所によって、使い分けをします。そして塗料は、何で希釈するかにより、おおむね強溶剤系塗料、弱溶剤系塗料、水系塗料の3種に大別できる。その特徴を表にします。
強溶剤系塗料 | ラッカーシンナー、ウレタンシンナー、エポキシシンナーなど揮発性と臭気が強い溶剤で希釈する塗料である。 |
弱溶剤形塗料 | 水ではなく弱溶剤に合 成樹脂を分散させて乳化した樹脂 を使用。以前はアクリル系 が中心だったが、現在はウレタン 系・シリコーン系・フッ素系など、 高耐候性を備えたものがある。揮 発性・臭気がともに弱い溶剤、主 に、灯油に近い塗料用シンナー で 希釈する。エマルション塗料と異なり水を使用していないので塗装 環境に左右されにくく、素地や下 地に対する付着性もよい。 *N A D 型 塗料、非水分散形塗料ともいう。 |
水系塗料 | 水で希釈可能な塗料のこと。最近 の塗料の定番ともいえる合成樹脂 塗料はこれに当たる。その成分に V O C を含むものもあるが、溶剤系塗料に比べると臭気 が少なく、ほぼ無臭のものもある。 |
下地処理の材料
プライマー | 素地や下地に直接塗装する密着性の高い塗料。プライマーは「初めに」という意味があり素地に直接塗布する塗料を指す。金属のように吸込みのない面に主に使用する下塗りを指すことが多い。錆止め塗料とほぼ同義語として使われる。SK#1000プライマー |
シーラー
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シーラーは「覆う」という意味。素地や下地に直接塗装する塗料で、一般には窯業系建材や木のような吸込みのある面に使用する下塗りを指すことが多い。「吸込み止め」ともいう。SKクリヤーシーラー(水性)、 |
逆プライマー
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「バリアプライマー」ともいう。下地材と仕上げ材を絶縁するための下地処理剤。外壁のシーリング部分からのブリードを防ぐための下塗り材。ラフトン逆プライマー |
浸透形シーラー | 下地の表面強度を向上させるシーラー。珪酸カルシウム板等に使用。粘度が低く、透明タイプが一般的。水性形と溶剤形があるが、下地への含浸効果は溶剤形がよい。SKマイルドシーラーEPO、関ペ浸透形Mシーラー |
しみ止めシーラー | 下地に付着したタバコのヤニなどのしみを抑え込むシーラー。ハイポリックシーラー、SK水性ヤニ止めシーラー |
灰汁止めシーラー | 下地となるセメントや合板などのアルカリ分やヤニの溶出を止めるもの。耐アルカリ性の合成樹脂エマルションやでんぷん糊を主成分としたものが多い。ハイポリックシーラー |
塗料の主剤での分類
油性塗料
ペンキ |
「O P 」とい。本来の O P は植物性の油 で希釈する塗料であり、乾燥が遅 いため、現在はほとんど使われて いない。その O P に代わって使用される S O P (合成樹脂調合ペ イント)である。鉄部の塗装などで 指定されていることが多いが、「安 い」「塗りやすい」ということから 汎用的に使用されている。外装塗装の場合にはウレ タン樹脂塗料以上のグレードが望 ましい 。 |
S O P (合成樹脂調合ペ イント)
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ボイル油の代わりに油のもつ長所を活かしつつ、欠点を合成樹脂で補ったものが合成樹脂調合ペイント。 |
アクリル樹脂塗料 | 建築物の 内・外壁の仕上げ塗料として約 40 年の実績をもつ。中 庸的な耐久性で、経済性も高いことである。速乾性塗料であるため作業効率が高いが、塗料の 不揮発分が少なく、肉もち感が劣 る短所がある。エマルションタイプ (A E P )は内装塗料の定番として 使用。 |
アクリ ルシリコーン樹脂塗料 | 主成分である合成樹脂がシ リコーン系の塗料の一般的な呼称。 シリコーン樹脂塗料ともいわれるフッ素樹脂に 次ぐ耐久性をもちながらも、コス トパフォーマンスのよさが評価され ている。 |
セラミック塗料 | JIS規格等では分類されていない特定の塗料を指す名称。塗膜にシリカを含んだもののほか、石材調塗料、断熱塗料、遮熱塗料を指すこともある。 |
漆 | 漆の木に傷を付けて滲出する樹液を原料とする。木地の保護に加え塗膜のもつ美しさを生かし、建具、床の間、柱、天井、床などの仕上げに用いられる。
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カシュー樹脂塗料 | カシュ-ナット油を使用した広義のエナメルペイント。硬度、光沢、可撓性、耐熱・耐薬品性、電気絶縁性がある。乾燥には数十時間以上を要する。 |
柿渋塗料 | 渋柿の青い果実から搾った汁を発酵して濾した液。漆器の下塗りや、木・麻・紙などの防水・防腐剤として使用。 |
カチオン電着塗料 | カチオンとは陽イオン(Kation)のこと。水性塗料中に浸漬された被塗物を陰極として、対極との間に直流電流を流すことにより被塗物は電気的に塗着される塗料。 |
ワニス | ①天然または合成の樹脂を溶媒に溶かしたもの。②ボイル油や乾性油で溶かした油ワニス、揮発性溶媒に溶かしたスピリット-ワニスなどがある。ニス。仮漆。③漆はワニスの一種。 |
オイルステイン |
「OS」ともいう。木部を塗り潰しにならない程度に半透明に着色する塗料。ステイン:顔料を水や油、アルコールで溶かしてつくられるもの。 |
主なエコ系塗料リスト
エコ塗料 | 広義では水系塗料もエコ塗料と呼ぶ。人体に有害な成分を抑えた塗料の総称。天然油や天然原料を使用している塗料を指す。「自然塗料」、「健康塗料」ともいう。 |
遮熱塗料
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遮熱効果をもつ塗料。塗膜中にバルーン(中空の粒)熱塗料が配合され、紫外線を反射し被塗物の温度上昇を低減させる。 |
オスモカラー | 日本オスモ
ドイツ最大の建材・木製品メーカーのオスモ社の塗料。溶剤としてイソパラフィン(化学物質だが、害がないといわれる)を含む。 |
リボス | イケダコーポレーション
ドイツの塗料メーカーのリボス社の塗料。溶剤としてイソパラフィンを含む。創設者は教育芸術家であるシュタイナーの弟子。 |
アウロ | 玄々化学工業
ドイツの塗料メーカーのアウロ社の塗料。100%天然原料を用い、原料名をすべて表示している。 |
柿渋・柿渋ペイント | トミヤマ
柿渋ペイントは、柿渋をベースにベンガラや亜麻仁油、蜜ロウを配合した水性塗料 |