左官一服噺 材料○合成樹脂SBR(ごうせいじゅしエス・ビー・アール) Stylen-Butadiene Rubberl latex 52
合成樹脂のSBRとは、スチレン・ブタジエンラバーの略語で、スチレンとブタジエンを重合させた合成ゴムのことです。
左官が吸水調整材として使用するものは、主にエチレン・酢ビ系のEVAというものです。EVA系の樹脂はエマルションといいますが、SBR系の樹脂はラテックスといいます。
ラテックスとは古くはゴムの樹から分泌される白色乳液状の樹液のことを呼んでいました。現在では工業的に生産されたものも含めます。ラテックスはゴムの微粒子が均質な状態で物質中に分散しているという、コロイド状になっているものをいいます。
左官用のSBRラテックスは、吸水調整材より、外壁の断面欠損等の補修用ポリマーセメントモルタルとして活用されます。セメント混和剤としてのSBRの特徴は、保水性、耐衝撃性、曲げ特性を高めることができます。特に接着効果が良く、鉄やガラスにも接合します。そのため、鏝にポリマーセメントモルタルが付いて、そのままにしておくと、鏝にこびリ付いて、掃除に手間がかかります。ハンドミキサーで混錬りすると、必要水量よりちょっとでも多くすると、ストンと柔らかくなります。また、混錬りを中断すると、すぐに凝集し皮張りが始まり硬くなります。再度の混錬りが必要です。
このように、SBRのポリマーセメントモルタルは、EVA系のポリマーセメントモルタルより、「デリケートで敏感なもの。」と、云えます。
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